サウスバウンド 上 読了

サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)

サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)

小学校6年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。誰が聞いても変わってるという。父が会社員だったことはない。物心ついた頃からたいてい家にいる。父親とはそういうものだと思っていたら、小学生になって級友ができ、よその家はそうではないことを知った。父は昔、過激派とかいうのだったらしく、今でも騒動ばかり起こして、僕たち家族を困らせるのだが…。―2006年本屋大賞第2位にランキングした大傑作長編小説。

 なかなかに良かった。いや、まだ下巻があるけど。
 小学六年生の視点で話が進んでいくんだけど、よく描けてると思った。この頃って、限られた世界で生きているんだよね。ゲームの序盤で、見えない壁に阻まれてあっち側には行けない、みたいに。そして午後3時から7時までしか自由に活動できないとか、厄介な中学生に絡まれていても、大人は頼りに出来ないし自分たちだけではどうにもできず、結局は出たとこ勝負しかできないっていう。色々と懐かしい気持ちで読めた。
 基本的には、日常を描いていき、段々と主人公のいる環境が「普通」とは違うことが浮き彫りになっていき、最後は事件が起きてさらには引越しというイベントが・・・・・・。というとこで上巻は終わり。下巻は沖縄編。
 ということで、取り急ぎ下巻を読もうそうしよう。