死神の精度 読了

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。

 作者らしく、淡々としかし軽妙に話が進んでいく。死神が人の生死を判断する話だっていうのにね。
 死神が主人公だから、読んでる側がいくら登場する人間に感情移入しても、すっぱり死んじゃうんだよね。これがなかなかに辛い。ヤクザだろうがなんだろが死神には敵わないもんなあ。
 あとは、結末が最後まで描かれない話もあって少しやきもき。青年は恐らく死ぬのだろうけど、おばあさんはどうなったのやら。