グラスホッパー 読了

グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)

「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに―「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。

 ちょーっと惜しいかなあ。つまらないってわけじゃあないんだけどね。物足りないというかなんというか。続編にあたるマリアビートルはべらぼうに面白いらしんだけど。ま、それの文庫が出るのはおそらく2013年だから読めるのは当分先のことになりますな。

 あらすじにもあるとおり、殺し屋たちが主人公の、物騒な小説。といっても、鈴木はそうでもないか。
 それに蝉もただ殺してるだけだし。いや、人を殺すということに「ただ」ってのもおかしいとは思うけど。
 一番危ないのは鯨だと思うんだよね。だって、自殺させるんだよ? 俺に会った奴は自殺していくとか、さらりと言うけど、相当に現実離れしているしおかしいことなんだよね。
 で、読んでて思ったんだけど、そんなに疾走感に溢れてたかな、って。むしろ着々と距離を詰めるような雰囲気だったと思うんだけど。むうぅ、この作品に限ったことじゃないけど、あらすじを考える人は巧いと思う。


 ・・・・・・あらすじを考えるのって編集だったっけ、確か。