六百六十円の事情 感想

六百六十円の事情 (メディアワークス文庫)

六百六十円の事情 (メディアワークス文庫)

どーでもよくて、とてもたいせつな、それぞれの事情。――カツ丼 六百六十円。

 世の中には、いろんな人たちがいる。男と女。彼氏と彼女。親と子供。先生と生徒。そして爺ちゃんや婆ちゃんとか。その中には、「ダメ人間」と「しっかり人間」なんてのも。
 あるところに、年齢も性別も性格もバラバラな「ダメ」と「しっかり」な男女がいた。それぞれ“事情”を持つ彼らが描く恋愛&人生模様は、ありふれているけど、でも当人たちにとっては大切な出来事ばかりだ。そんな彼らがある日、ひとつの“糸”で結ばれる。
 とある掲示板に書き込まれた「カツ丼作れますか?」という一言をきっかけに。

 入間人間が贈る、日常系青春群像ストーリー。



今回はメディアワークス文庫

いや、みーまーの後だからか読みやすいのなんの。
入間作品だけども今回は文体が普通。
うん?文体が普通ってなんだ?自分で言っててわけわからん。とにかく、ややこしくない!
この人の本は基本、人に薦めにくいのだけど、これは文体・内容ともに薦めやすい!
・・・内容よりも文体が先に薦めるときの問題点になるのもちょっとへんだけどもww

さあ内容。
先にも書いたけど、読みやすい!雰囲気もほんのぼんのしてるからサラッと読めちゃう。電波女6巻のあとがきで言ってる事にもうなづける。

あ、ネタバレ入ります。

掲示板への「カツ丼作れますか?」という書き込みから、最終的にはオフ会にまで発展。いや、カツ丼でよくここまで話が広がるなあ、と。
あ、今回も群像劇になってたから僕にとって以下略。
クロスオーバーもあってか、堪能のハードルが少々高いみーまー8巻よりオヌヌメ

ニートミュージシャン/高校生風/家出少女/ガチニート/カツ丼ジジイ視点の話がありますが、なかでも面白かったのは高校生風が繰り広げる童貞と処女の話。
や、会話が面白いんスよ。事には至らないから期待しても無駄でござい。
キメ台詞は「童貞と同時刻に処女を捨てないか?」に尽きる。
合田一人の出る幕はないね!

そしてカツ丼ジジイも実にいい。
まさかジジイ視点でこんな感動を得られるとは!
いやね、オフ会開いたのはこのジジイ。しかも心にくい演出までしやがる!
とにかく読んで損はないかと。おもしろいよ!

いやあ、読了後はカツ丼を食べたくなるのなんの。