きつねのはなし 読了

きつねのはなし

きつねのはなし

京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は―。端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。

 ううーん、どういったらいいのかよくわからないなあ。話としての面白さよりも、全体の雰囲気が素晴らしいと思った。全編通して霧がかかったような感じ。そして暗い。しかもどれも薄気味悪い終わり方だし。
 やはり人に言われたとおり、他の作品を読んでからのが良かったのかのう。でもまずはこれを読まねばならぬという気になったわけで。ま、個性ぶっちぎりのを先に読んで先入観を持つより異色のものを先に読んどくのも悪くはないと思うのですよ。
 別にこれがつまらなかったら他のは敬遠するとかはないしね。にしても、文章は非常に綺麗だった。どうやら他の作品ではこの文章力が火を噴いているらしいけど・・・・・・?