サウスバウンド 下 読了

サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)

サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)

元過激派の父は、どうやら国が嫌いらしい。税金など払わない、無理して学校に行く必要なんかないとかよく言っている。そんな父の考えなのか、僕たち家族は東京の家を捨てて、南の島に移住することになってしまった。行き着いた先は沖縄の西表島。案の定、父はここでも大騒動をひき起こして…。―型破りな父に翻弄される家族を、少年の視点から描いた、新時代の大傑作ビルドゥングスロマン、完結編。

 舞台は中野から沖縄へ。それと同時に話全体の雰囲気もやわらかく、そしてゆったりと変化。
 やっぱりそのせいもあってか、失速した感は否めないかな。そしておもしろいことに、上巻では周りを振り回す側だった二郎が、父や母にはもちろん、桃子にそして姉にまで振り回されるようになってる。そういう意味では二郎は成長できたのかな。
 すごいのが終盤。父が騒ぎを起こすのはもちろん、意気投合した外国人がダイナマイトを爆破させ、父と母は楽園を求めて、子供たちを置いて船出する、という最後まで駆け抜ける。でもなんかよくね? って感じで終わる。読んでよかったと思えた。
 ・・・・・・古本屋に行けば投売りされてるから、読んでみるといいんじゃないかな!