ラッシュライフ 読了

ラッシュライフ (新潮文庫)

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場―。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。

　おもしろかったー！　読み終わってすげーすっきりした気分。
　本当に全てがカチッとはまるんだね。遊戯王カードの裏面みたい。

　作品間で少しずつリンクしてるというので順番に読んでるけど、いきなりリンクしてるんだね。神様のレシピとか喋る案山子の話が出てきたり、伊藤と思われる人物の描写があったりね。
　それで、いちいち妙に心に残るセリフもけっこう多いと思った。特に、『誰もが人生のアマチュアなんだ』ってセリフにはハッとさせられたかも。いつかは自分も会話の中でこのセリフ言ってみたいなあ。

　で、豊田と黒澤が気に入ったんだけど、どうやら解説によると黒澤は伊坂作品でも人気のキャラなんだとか。これは納得。泥棒なのになんだかすごいまともなことを言ってるんだもん。でも泥棒っていう。
　なんなんだよお前！　教師やれよ！　とか思わず突っ込みたくなってしまうキャラでありますな。
　ファンサイトには時系列のリストがあるとか、そういう話を耳にしたので、時間があれば見てみようかな。